共創研究|弘前大学大学院 地域共創科学研究科

共創研究

社会学・工学・経営学・農学を中心に、関連諸学や地域機関・市民との協働によって、「地域を守り」「地域から攻める」ことに資する研究シーズの探査や基礎研究および応用研究を助成しています。

令和4年度

令和3年度

令和2年度


異分野共創研究

地域共創科学研究科では、異分野にまたがる研究者が交流し、議論することで、新たな価値を創造する異分野共創研究に取り組んでいます。その結果の一部をここに公開いたします。

令和4年度

津軽地域の地場産品を活用した「津軽らしい色合い」を有するビーガンレザーの開発に関する共創研究

安川 あけみ(産業創成科学専攻 食産業イノベーション研究領域)

染色実験によると,リンゴ残渣からの抽出色素による布の染色は難しかったが,他の植物色素を用いた染色に残渣を共存させることで異なる色の染色布が得られた。残渣を漂白後,染料で着色することにより,カラフルなビーガンレザーが作成できる可能性が示された。
染色実験と並行してフィールドワークと素材開発を行い,リンゴ残渣を「レザー」に限らない幅広い用途に活用する可能性や,稲わらなど他の地場資源をも活用する可能性が示された。

安川あけみ ビーガンレザー
安川あけみ ビーガンレザー
安川あけみ ビーガンレザー

風力発電の地域理解促進のための啓蒙活動に関する研究

本田 明弘(地域リノベーション専攻 レジリエンステクノロジー研究領域)

青森県の資源である風力発電やエネルギーに対する県民の意識向上と理解促進を図るために、本研究では、地域共創科学研究科・理工学部・教育学部の学生が協働し子どもたちが風力発電に関して体験的に学ぶことのできる体験イベントの企画と教材開発を行った。
企画したイベントは昨年の夏に中泊町・野辺地町・青森市の3市町村で、日本財団およびNPO法人青森風力エネルギー促進協議会の協力の下で計4回開催した。参加した子どもたちはスタッフの学生と共に楽しみながら風車や風車の基礎の組み立てに取り組んでいた。

本田明弘 風力発電


令和2年度

集落地域の持続可能な未来にむけたAI計量分析の基盤整備

平井 太郎 (地域リノベーション専攻 コミュニティデザイン 研究領域)

国・総務省から提供を受けた過疎地域等における集落の状況調査の調査単位のコード化を可能なかぎり進めて、すでにコード化が行われている国勢調査や農林業センサスとのデータの統合を行いました。そのうえで、過疎地域等における集落の状況を被説明変数とした多変量時系列分析を行い、成果について分析モデルを提示した広井良典氏(京都大学)などと共有したうえで、総務省の担当課・過疎対策室にも報告しました。

域学共創研究

地域共創科学研究科では、地域の専門家と交流し、議論することで、新たな価値を創造する域学共創研究に取り組んでいます。その成果の一部をここに公開いたします。

令和4年度

青森県地域環境に適する高エネルギー資源植物の調査研究

官 国清(地域リノベーション専攻 レジリエンステクノロジー研究領域)

本研究では寒冷地での栽培に適し、茎葉部収量が多いジャイアントミスカンサスを異なる肥料条件で栽培し、生育の違いを調べた(写真1)。その結果、通常施肥量(100%)に対して、30%の施肥条件での生育は他の施肥条件(100%と60%)に比べてやや劣るが有意な差がなかった。このことから、低肥料条件でも十分栽培が可能であることが分かった。また、地下茎は1年目でもよく発達していた(写真2)。さらに、収穫したサンプルの特性(水分、灰分、CHO組成など)および水蒸気ガス化特性も調べた。

官 国清 資源植物 

写真1. 異なる施肥条件におけるジャイアントミスカンサスの栽培試験の様子(1年目)

官 国清 資源植物
官 国清 資源植物

写真2. 栽培1年目のジャイアントミスカンサスの茎葉部(左)と地下茎 (右)

写真提供
農学生命科学部附属生物共生教育研究センター金木農場・姜 東鎮准教授(共同研究者)

関節リウマチおよびがん細胞の浸潤を抑制する、ニンニク外皮含有成分の同定

西塚 誠(産業創成科学専攻 食産業イノベーション研究領域)

本年度はニンニクの皮抽出画分に加え、皮に含まれるシクロアリインに着目し、がん細胞の転移に重要な役割を担う上皮間葉転換に与える影響について検討した。検討の結果、シクロアリインは間葉系細胞への転換に寄与する、N-cadherinやSnailといった因子の発現を減少させることがわかった。このことから、シクロアリインには、がん細胞の上皮間葉転換を抑制する機能がある可能性が示唆された。

十三湖しじみの地域ブランドを活性化させる商品デザイン開発

佐藤 光輝(産業創成科学専攻 グローカルビジネス研究領域)

十三湖しじみの地域ブランドを強化するためのデザインイメージを地域企業と大学院生の協同で研究開発した。また、十三湖の現地調査と特産品しじみの商品デザイン現状を整理分析して、十三湖しじみのマスコットキャラクター開発と商品のデザイン展開を試作した。開発したマスコットキャラクターは広域での活用も目指して五所川原市全域版のデザイン制作も実施した。

佐藤 光輝 しじみ
佐藤 光輝 しじみ

佐藤 光輝 しじみ

課題解決及び相談・支援のための校種や地域を超えた学生ネットワーク形成を目指した実践

古村 健太郎(地域リノベーション専攻 コミュニティデザイン研究領域)

本研究の目的は,(1)複数の大学で行われている教育実践(主にPBL)について,大学間のインターゼミナールとして共有,発展させること,(2)高校と大学が協働した活動を通して異なる校種間で課題解決や相談・支援を行うことができるネットワークを形成することであった。
4月,6月,8月,10月,12月に弘前大学,新潟大学,信州大学の学生が参加するインターゼミナールを開催し,各大学で行われるPBLについてディスカッションを継続的に行った。また,インターゼミナールには高校生も参加し,自身が行っているPBLについて大学生や研究者とディスカッションを行った。

塩害と中性化を受けるコンクリートの劣化性状の評価

上原子 晶久(地域リノベーション専攻 レジリエンステクノロジー研究領域)

本課題は、表面含浸材を塗布したコンクリートにおいて、含浸材が塩害や中性化の劣化性状に及ぼす影響を検証した。研究期間の都合で、塩害に関する検討はできなかった。しかしながら、含浸材が中性化に及ぼす影響を明らかにすることができた。本研究の範囲で得られた成果は、以下の通りである。

  • 含浸材を塗布することにより、中性化が促進される傾向になる。これは、含浸材がコンクリートの乾燥を促進するためである。
  • 塗膜を生成する含浸材においては、中性化を抑制する効果がある。

マボヤの抗酸化能に関するin vitroによる評価研究

樋口 智之(産業創成科学専攻 食産業イノベーション研究領域)

本研究はマボヤの可食部である筋膜体から水溶性画分と脂溶性画分を得て、それぞれについてTroloxを標準物質としたDPPHラジカル消去活性法とFRAP法により抗酸化能を評価した。
その結果、いずれの評価方法においても水溶性画分の方が高い抗酸化能を示すことが明らかとなった。また水溶性画分においてFRAP法がDPPH法よりも高い傾向を示すことが明らかとなった。
今後は抗酸化物質の同定を試みる予定である。


令和3年度

青森県での地域ブランドをつくる地域商社の現状と産学官金連携による可能性

佐々木 純一郎 (産業創成科学専攻 グローカルビジネス 研究領域)

青森県内40市町村に対し、地域ブランドにつながるふるさと納税のアンケートを実施した。その結果、自治体ごとにふるさと納税の金額や件数にばらつきが多いことを確認した。それを踏まえ特徴的な自治体にオンライン・インタビューを実施した。ふるさと納税の金額や件数の増加には、自治体のHPだけでなく、民間の「ふるさと納税サイト」を活用した取組が効果的である。またメディアの活用や、地道な地域づくりが有効である。

佐々木純一郎 域学共創研究

ふるさと納税のアンケート結果の分布図

恋愛関係や性の問題に対する第3者への教育及び相談・支援ネットワークを形成するための基盤づくり 

古村 健太郎 (地域リノベーション専攻 コミュニティデザイン 研究領域)

高校生及びその保護者を対象に,「高校生対象WS 恋愛を心理学する」(弘前市企画部企画課・弘前大学人文社会科学部・弘前大学大学院地域共創科学研究科 共催),「保護者向けWS 思春期の子どもの心を考える」(弘前市企画部企画課),「高校生まちづくりクラブSTEP×弘前大学 高校生と大学生の情報交流」(弘前市企画課部企画課,HLS弘前,弘前大学)を開催し,高校生と大学生のネットワークづくりや保護者間のネットワークづくりを試みた。

関節リウマチに伴う滑膜細胞の炎症を抑制するニンニク外皮含有成分の同定

西塚 誠 (産業創成科学専攻 食産業イノベーション 研究領域)

本研究ではまず、ニンニク外皮のメタノールおよびDMSO抽出物を得た。さらに、リウマチ患者由来滑膜細胞株MH-7Aを用いた炎症反応のスクリーニング系について条件を決定した。さらに、MH-7Aに各抽出物を添加し、細胞へのダメージがないことを確認した。
MH-7A細胞に添加し、IL-6の発現を検討した結果、弱いながらも影響がみられる抽出物を得ることができた。現在、より濃縮した抽出物での評価の準備中である。

A2ミルクの探索

津田 治敏 (産業創成科学専攻 食産業イノベーション 研究領域)

A2ミルクとは,乳タンパクのアミノ酸配列67番目がプロリンのもので保健機能性が期待できる。A2ミルクはウシの遺伝子を調べA2タイプのウシから集乳して生産している。ただし,この方法では生産過程でその他の乳が混入しても判別できない。乳タンパクを調べる方法として等電点電気泳動が報告されているが,ゲル作成に手間がかかるため日常的な分析には不便である。本研究ではより簡便な方法を構築した。本法を用いることで安全安心なA2ミルクの生産に寄与できると考えられる。

津田 治敏 域学共創研究

電気泳動の様子

青森県における稲わら等の活用促進への支援方策の検討

泉谷 眞実 (産業創成科学専攻 グローカルビジネス 研究領域)

本研究では第1に、青森県産稲わら利用量を拡大するために、稲わらミニロール収集機での収集拡大の可能性を探った。そして青森県平川市のミニロールでの稲わら収集農家の聞き取り調査を行い、その特徴と課題、支援方策について検討を行った。
第2に、稲わらと並んで発生量が多い籾殻の活用促進方策を検討するために、青森県のライスセンター・カントリーエレベーターの聞き取りおよびアンケート調査を行った。また、比較対象として県外のカントリーエレベーターの調査を行い、発生の実情や課題、活動支援方策について検討を行った。
第3に研究成果の普及のために、フォーラム「稲わら利活用促進フォーラム2021」を開催した。また、東奥日報社の取材を受け、インタビュー記事「脱ワラ焼きへの道~五所川原の挑戦 下」が掲載された。

泉谷 眞実 域学共創研究

稲わら利活用促進フォーラム2021のフライヤー

青森県の伝統工芸品デザインを活用した地域食品チョコレートの開発

佐藤 光輝 (産業創成科学専攻 グローカルビジネス 研究領域)

「浪漫須貯古齢糖」オーナー須藤銀雅氏の協力により、青森の特産品を取り入れた4種類のチョコレートを共同で商品開発した。また、パッケージデザインをツールとして、青森地域の情報を発信し、商品の付加価値を高めることができるデザインを考案し、青森の季節の行事や観光名所や名産物などを使用した「チョコレートで青森の四季を感じられる和洋折衷なデザイン」を完成させた。

佐藤 光輝 域学共創研究 佐藤 光輝 域学共創研究

青森の特産品を取り入れたパッケージもデザイン

令和2年度

津軽における和紙抄造用糊料トロロアオイの栽培化

勝川 健三 (産業創成科学専攻 食産業イノベーション 研究領域)

トロロアオイの発芽適温に系統間差異があることを明らかにし,寒冷地でも発芽が可能な系統を選抜した。これを用いて,播種期を違えて慣行栽培を行ったところ,5月以降の直播きでよく生育した。露地移植栽培は活着に難があり,その後の生育は思わしくなかった。慣行栽培と異なり,花蕾を野菜として収穫しても根を収穫することは可能であった。その根から得られたネリは,既存産地のそれと比べても遜色ない品質であるとの評価を得た。

勝川健三 域学共創研究

栽培試験の様子

勝川健三 域学共創研究

野菜としての活用を想定したトロロアオイの花蕾

勝川健三 域学共創研究

収穫したトロロアオイの根(黄蜀葵根)

ジャージー乳由来乳酸菌の発酵乳製品への応用

津田 治敏 (産業創成科学専攻 食産業イノベーション 研究領域)

本研究では,青森県内で飼育されているジャージー種の乳汁を由来とする乳酸菌の発酵乳製品への応用を検討した。その結果,発酵乳のスターター菌として求められる資質である乳酸生産性および芳香性物質生産性の高い乳酸菌を得ることができた。本菌株は培養12時間で乳酸量が0.6%を超え,良好なゲルを形成した。また,ジアセチル/アセトインの生産量も高い値を示した。これらの性質から,本菌株は優秀な発酵乳製品スターターに資するものであり,今後は本菌株を利用した新製品の開発を検討する予定である。

アートを活用した外国人誘客とまちなか周回につなげる観光支援

佐藤 光輝 (産業創成科学専攻 グローカルビジネス 研究領域)

アート系観光資源の掘り起しのための弘前街歩きアートマップの制作し出版した。その準備としてマップに掲載するアートスポット発掘のための弘前大学留学生による街歩きを実施した。マップは外国語(中国語)によるガイドとして弘前アートの魅力と楽しみ方を訪日客へ発信する。
マップサイズは A1サイズとし、両面カラー印刷の十字折りといて利便性の高いものとした。出版したマップは美術館と弘前市観光案内所などで配布を行う。(12月から配布開始)

佐藤光輝 域学共創研究

資料画像①

佐藤光輝 域学共創研究

資料画像②

佐藤光輝 域学共創研究

資料画像③

佐藤光輝 域学共創研究

資料画像④

佐藤光輝 域学共創研究

資料画像⑤

機関共創研究

地域共創科学研究科では、青森県の統合型情報地図を作成しています。この地図は、研究科の教員が有する情報やアクセスしうる情報に地理座標を与え、地図上に表示するものです。地域の強みや弱みを可視化することで、地域の未来を考える基盤にしたいと考えています。

令和3年度

ハマボウフウの自生状況

勝川 健三 (産業創成科学専攻 食産業イノベーション 研究領域)

環境の改変によって自生地および自生個体の減少が危惧されているハマボウフウ(セリ科)。そこで鯵ヶ沢町の海岸を対象に,ハマボウフウの自生状況を調査しました。自生地は赤石川河口およびその左岸に接する海岸が主で,その表層堆積物の粒度組成は細粒砂から粗粒砂までの「砂」であり,礫質海岸には自生していないことが明らかになりました。

勝川健三 地理情報システム

弘前市人口集中地区のコンビニへの近接性

増山 篤(地域リノベーション専攻 コミュニティデザイン 研究領域)

プログラミング言語Pythonによる地理情報処理の可能性を探りました。その結果、非常に短いコードで、1) 弘前市人口集中地区を分析対象地域と定め、2) この対象地域内の道路網データをインターネット経由で入手し、3)
道路に沿った距離で商業施設への近さを評価し、4) その評価結果を可視化することができました。この成果は、学術誌「GIS―理論と応用」に掲載予定です。

増山篤 地理情報システム

青森県内市町村のふるさと納税受入金額

佐々木 純一郎 ・前田 健*・内山 大史 (「域学共創研究」の一部)
*前田健(NPOひろだいリサーチ理事長)

ふるさと納税(ふるさと寄附)は、返礼品による地場産業の振興など、地域に役立つと評価されています。2020年度、青森県内市町村のふるさと納税の受け入れ金額では、弘前市、五所川原市そして青森市という津軽地域の自治体が比較的高額を集めています。

ふるさと納税 地理情報システム

(出所)総務省「令和3年度ふるさと納税に関する現況調査について」より、「令和2年度受入額の実績等」に基づき作図。

青森県の市町村と東京都との人口移動の分布

花田 真一(地域リノベーション専攻 コミュニティデザイン 研究領域)

この地図は、2019年に比べて2020年の東京都との人口移動がどのように変化したかを市町村ごとに示したものです。赤色は人口流入・流出がどちらも増えた市町村、黄色は人口流入が増えて流出が減った市町村、緑色は人口流入が減って流出が増えた市町村、青色は人口流入・流出がどちらも減った市町村です。
1枚目の図は、青森県の地図に新幹線の線路と駅を重ねたものです。青森県の3つの大きな都市、青森市・八戸市・弘前市を見てみましょう。新幹線駅のある青森市と八戸市は東京からの人口流入が増えていますが、新幹線駅のない弘前市は東京都の人口移動自体が少なくなっています。新型コロナウィルスで地方移住が進むのではないか、と考えられていましたが、図からは東京とのアクセスのよい地域ではその効果があるものの、それ以外の場所では効果が限られることが見て取れます。

花田真一 地理情報システム

2枚目の図は、関東地方の地図に、新幹線(黒い線)、JR線(濃い灰色の線)、民営鉄道(薄い灰色の線)を重ねたものです。青森県に比べると関東地方には黄色や赤の市町村(つまり、東京から流入する人が増えた市町村)が多いことがわかります。また、鉄道の線に沿って黄色い市町村が多いことも見て取れます。
新型コロナウィルスの影響で、地方への移住が増えるのではないか、と期待されていました。この2枚の図から、東京からの「移住」はやはり東京に近い交通の便の良いところに集中していて、東京から離れた地方では限られた影響だった可能性が示されています。

花田真一 地理情報システム

青森県の災害遺構

片岡 俊一 (地域リノベーション専攻 レジリエンステクノロジー 研究領域)

災害遺構は様々な機関でまとめていますが,青森県内にある災害遺構を一覧できるwebページを作成しました.このページでは,Web地図サービスで広く使われているオープンソースのJavaScriptであるLeafletを利用して,地図の拡大縮小ができるようになっています.
https://www.st.hirosaki-u.ac.jp/~kataoka/s-ikou/top_402all.html

片岡俊一 地理情報システム

弘前市の自主防災組織の結成率と浸水推定区域

曽我 亨 (地域リノベーション専攻 コミュニティデザイン 研究領域)

曽我亨 地理情報システム

図. 弘前市における自主防災組織の結成率と浸水ハザードマップ

この図は弘前市における自主防災組織の結成率と、浸水ハザードマップを重ねあわせたものです。
弘前市には町会を基盤とした自主防災組織が84団体(2019年現在)あります(弘前市防災会議2008)。大字を単位に、町会が自主防災組織を結成している率を白から青の色で表示しました。大字に含まれるすべての町会が未結成の場合は白色(0%)で表します。一方、すべての町会が自主防災組織を組織している場合は濃い青色(100%)で表しました。また、浸水ハザードマップにしめされた浸水地域を赤色で表しました。
この図を注意深く見ると、浸水が予想される地域でありながら、自主防災組織を結成していない大字が少なからず存在することがわかります。実際に町会の数を調べたところ、浸水が予想される地域に存在する184の町会のうち、自主防災組織をつくっているのは、わずか30町会(16.3%)に留まることがわかりました。(寺沢安乃・曽我亨)
弘前市防災会議2008.『弘前市地域防災計画-資料編-(令和元年修正)』